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●藤田コーディネーター

 

先程来議論にでできていますが、環境への対応、交通弱者・高齢者等にやさしいバスといった面で幾つかの先進例をVTRにまとめてありますのでご覧いただきたいと思います。

 

―VTR上映―

 

國友さん、同じバス事業者として今のVTRをどのようにご覧になりましたか。

 

●國友先生

 

2年前の全国バス事業者大会で私は、マイクロバスを活用すべきであるとの提言をバス事業者の皆にしましたが、その時にあるメーカーが聞いておられたのでしょうか、これは将来性があるということで、今のムーバスのモデルを造られました。最初に貸切用に前から乗り、前から降りるという29人のシートをつくるべくモデルを造られました。路線用に2ドアにして後ろから乗り、前から降りるという需要がこれからでてくるのではないかということで、それまでのマイクロバスを私どもでは2ドアのバス改良するため、わざわざオプションで扉も穴を開けて切って造っていました。普通の中型バスに比べて僅かの価格差しかありませんでした。
2ドアでもモデル化すれば大量生産に載せられコスト的にもかなり下げることができます。先程、福井さんのお話しにあったように、11人乗り以下はタクシーの分野になりますが、バスは12人以上ということで、まだまだ福祉バス等でマイクロバスは活用できると思います。
一方、アイドリングストップ&スタートについてみますと、都市バスでは半分アイドリングしているというデータもあるらしいので、こうしたバスを導入することにより、燃費が大いに節約になるだけではなく、黒鉛、NOX、CO2の排出量も減るということになります。現在では普通のバスにその装置を付けて35万くらい高いだけに落ちてきました。
したがって、低床バス・低公害バス・小型バス等をどんどん大量生産するシステムになるよう当初の開発については、政府の方からメーカー側へ指示をしていただき、皆でそれに取り組みそれを我々バス事業者が使っていくということにより、コストダウンが図れるのではないかと思います。
低床バスについても聞いたところ、走行機器類を極端な話で天井の上にエンジン等を乗せて本当にノンステップで乗れるようなバスや扉側にエンジンを置かずに反対側のホイルベースの間に付けたり、エンジンを縦にして後ろに付けることによりステップを28?pくらいの高さに実現しているケースもあると聞いています。最初につくる開発料は大変だが、どんどん大量化し、それを標準にしていけば、我々バス事業者は当然人にやさしく、環境にやさしいバスを使っていくという所存でいますので、公的助成の方もメーカーに対しても行っていただければ良いのではと思います。

 

●藤田コーディネーター

 

福井さん、今のVTRを見ていますと、他にないから選んでいる交通手段ではなく、乗ることに喜びを感じている交通手段が、現実にありますね。

 

 

 

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